【読書メモ】闘うプログラマー

闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達」を読みましたので、読書メモです。

本の紹介

闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達」は、Windows NTの開発記録です。Windows NTは、1993年7月にリリースされましたが、本書初版は原著・翻訳書ともに、1994年に出版されています。リリース間もなく、開発に携わった当事者にインタビューを行い、本書にまとめてあります。登場人物は50〜100名いるんではないでしょうか。ゼロからOSを買いはすするという巨大プロジェクトの生々しい姿が、とても細かい出来事から組み立て上げられており、苦しい開発を乗り越えた経験があるエンジニアだと、感傷に浸らずにはいられない書籍です。

読書メモ

1.5億ドル、4年間、延期に延期を重ねるリリース日、止まらない要望、潰したそばから爆発するように出るショーストッパー(原著のタイトル、危機的な不具合を指す)にまみれながら、最新で革命的なWindows NTを開発するストーリーです。キーパーソンは、マイクロソフトで伝説と言われるディビット・カトラー。この人の熱量と、信念の強さがとても響きました。

  • 設計は完璧にできる、完璧にできた設計からはバグは出ない。
  • 一点にフォーカスする。それはバグだ、バグを潰せ。
  • プレイングマネージャーとして、魅せる。

良し悪しがあるのは当たり前ですが、仕事への情熱の注ぎ方はすごいものを感じました。まさに闘うプログラマーです。でも、そんな、ブルドーザーみたいなカトラーだけでは、チームはうまくまとまらず、腹心のロウ・ペラゾーリがファシリテーションの能力を発揮し、チームをまとめていく。最後はデスマーチだったが、全員でスクラムをくんで突進し、リリースに漕ぎづけるという怒涛のストーリーでした。

いくつか、気になったセンテンスがあったので、抜粋します。

マイクロソフトでは、管理者もコードを書くのが原則だ。(略)ソフトウェア会社では、管理者はプログラマーの言いなりになりやすい。スケジュールは守られず、製品は失敗に終わり、予算は膨れ上がる。すべては、現代の魔術師たちがしていることを、トップの人間が理解できないからだ。(略)マイクロソフトでは、プログラマーが管理者だ。

第五章 熊の咆哮 P.145

カトラーが途中、全チェックインを監視する!と言い出したときはびびりました。

実際、カトラーはハリウッドの偉大な監督が持つ特徴をそなえている。スターや優秀な裏方に、自分の好みやビジョンを吹き込むことができる。ユーザーに媚びることを拒否して、自分のビジョンを守り抜く(略)監督としてだけではなく、俳優や裏方としても優れた能力をもっているため、現場に密着でき、最前線にたてる。

第七章 出荷モード P.204

「自分のビジョンを吹き込む」って素晴らしい能力。

次はユーザープロファイルとプログラム・マネージャーの開発を担当したキャロルの節。ここは手に汗握ったなぁ。

キャロルはあせっていた。バグに叱責されているように感じた。

(略)

バグはつぎつぎにみつかった。

(略)

バグはつぎつぎに処理できた。一週間後には、あと一歩で「ゼロバグ」を達成できそうになった。

(略)

この朝は気になっているものがあった。それを見つけて、キャロンはうなった。エスティ・ミンツからのメールが2通ある。(略)新しいバグが2つ。

(略)

最後のバグを始末した。やった。廊下に出て、手を上げて踊って歩いた。だれかれかまわず電話して、「ゼロ・バグ」を自慢した。

第十章 ショーストッパー P.350〜353

そういえば、本書の後半の中心は、ビルド・ラボ。ホワイトボードに書かれたチェックイン一覧をみながら、それを最新のビルドに組み込むか決める。そこにはカトラーも出張ってきて(出張ると言うか、自分の家だって言ってたかな・・・)、ビルドと自動テストの出来に一喜一憂。ここからドッグフーディング用のビルドが配信されるため、まさに最前線です。

この本が読みやすいかといえば、インタビューを集めてストーリー調にしてある、かつ、登場人物は出自から書かれてあり、けっこう読むのが大変でした。ただ、プロジェクト型の仕事をしたことある人や、ちょっと昔のWindowsを知っている人は、「こんなことにまみれながら、作られていったんだ!」と感動を得られると思います。読んでよかったです。

以上です。

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